私が結婚後はじめて精神科に通い始めたのは、子供が5歳の頃。
なんと笑えないことに、子供を週1回療育に連れて行くために自分ひとりで車を運転して子供を連れて行くことがどーーーしてもできなくて、病んでしまったのだった。
はじめの2回は主人についてきてもらって私が運転した。
それ以降は結局1年間、わたしは自力で一回も運転することが出来ずに実家の父に送り迎えをしてもらってしまった。
来週こそ自分で運転して行こうと毎週誓うのに、来週になるとやっぱりひとりじゃ行けない。
まるで、「明日こそはおりこうさんに学校へ行く」と夜に誓いつつ、翌朝になるとやっぱりぐずってしまって学校へ楽しげに行けなかった時と同じ感覚だった。
他のお母さん達は何気なく送り迎えができているのに、何でわたしはできないんだろう?と心底自己嫌悪に陥るのだが、不安感に支配されてどうしても新しい一歩が踏み出せない。
そうして、精神科の門をくぐったわたしは、
「何か具体的にひどい症状があるわけではないんだけど、自分には不安感が強くて出来ないものがいっぱいある。やらなきゃやらないで済むこともあるとはいえ、あまりにも行動の制約が多いので、もうちょっとどうにかならないものか?」
ということを訴えた。
当時の主治医はわたしの訴えを聞いて、
「不思議なことを言ってくる患者だと思って印象に残った」
ことを後から聞いた。
わたしはその時は、「行動の制約が大きいのは不安神経症(パニック障害)の予期不安が強いせいだ」と思っていたのだが、最近、どうもそのせいだけではないような気がしている。
新しいことをやろうとすると不安になる。
いつもと違う感じが嫌い。
そして何よりも、今日より未来に予定が入っている状態が苦痛。
その日の気分でしか行動できない私にとって、未来のある日に束縛されているものがあること自体が不安感をそそる。その日、自分がそのことをやれる体調や気分が整っているかが心配で仕方ないのだ。
いずれにしても、何かをやろうかやっぱりやめようか内面で散々葛藤した挙句、当日になってやっぱりできないと
「何で自分には出来ないんだ?」という激しい苛立ちと共に、救いようのない敗北感と無力感に襲われる。